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育児・介護休業法とは?制度の内容と改正のポイントをわかりやすく解説

働き方改革

ナレッジ

持続可能で誰もが安心して暮らせる社会を作るためには、仕事と「結婚・出産・育児」、あるいは仕事と「介護」の二者択一構造を解消しなければいけません。

育児・介護休業法は、仕事と育児・介護のどちらかを選択するのではなく、両立しやすい職場環境を実現するために施行された法律です。

この記事では、育児・介護休業法の具体的な制度の内容と、今後段階的に改正されていく制度のポイントをわかりやすく紹介します。

公開日:2022年10月17日

育児・介護休業法とは

育児・介護休業法とは

深刻化していく少子高齢化社会の中では、仕事と育児・介護の両立は誰もがいつ迫られるかわからない大きな問題です。

従来までは仕事と育児・介護の両立が難しく、働きたいにも関わらず退職しなければいけないケースも少なくありませんでした。

このような問題を改善するために施行されたのが、育児・介護休業法です。はじめに、定義や内容、制定された背景を詳しく解説します。

定義と内容

育児・介護休業法は、労働者が働きながらスムーズに育児や介護を両立できるようにサポートするための法律です。

正式名称は『育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律』で、その名の通り、育児や介護を行いながら働く労働者を対象としています。

育児・介護休業法の制定により、労働者は育児休業や介護休業などを企業に申し出ることができ、企業は条件を満たしている取得の申し出を拒否することができなくなりました。

従来までは、仕事と育児・介護は両立するのが難しい二者択一構造でした。

しかし、育児・介護休業法が制定されたことで、会社に規則がなくとも法に基づき取得できる権利となりましたので、労働者はワークライフバランスを実現できます。

制定の背景

令和4年2月1日に総務省統計局が発表した「労働力調査」によれば、現在のペースで少子高齢化が続いた場合、40年後には労働人口が今よりも約4割減少すると予測しています。

直近では、女性や高齢者の参加率が上昇しているため2023年までは増加を続けますが、2024年以降は減少に転じると予測されています。

少子高齢化が続く一方で、子どもを生み育てながら仕事をしたいと考える方は多く、しかしながら希望が実現しにくい状況が見られていました。

このような社会情勢を背景にして制定されたのが、仕事と育児・介護を両立しやすくするための育児・介護休業法という法律です。

  • 少子化による労働者減少への対策
  • 企業の雇用継続と安定化
  • 女性雇用の確保と安定化
  • 育児・出産・介護による離職の防止

出産・育児・介護を理由による労働者の離職を防ぎながら、希望に応じて男女ともに仕事と育児などを両立できるように制定・改正されています。

仕事と育児・介護を両立させる取り組みは、労働者だけではなく企業にも優秀な人材の確保・育成・定着というさまざまなメリットがあります。

育児介護休業取得の現状

厚生労働省の調査によれば、2018年度時点での育児休業の取得率は、女性が82.2%であるのに対して、男性は6.16%という低水準でした。

依然として育児の比重が女性に偏っているのは明らかであり、男性が育児休業を取得することがいかに困難であるかはデータ上でも証明されています。

介護休業の取得率も8.6%と低く、その一方では介護を理由にした離職は2006年から2018年の間で2倍に増加しているため、休業制度がうまく活用されていないのは明らかです。

育児・介護休業法が制定されたことで、条件を満たすすべての労働者が権利を取得できます。しかし、企業内に取得しづらい原因があることも間違いありません。

  • 休業した後に仕事へ復帰できるか不安
  • 自分の仕事を人に任せることができない
  • 周囲に迷惑をかけられない環境
  • 収入が減少してしまうため働かざるを得ない

育児・介護の休業申請を取得できない理由はさまざまありますが、もっとも多いのは、自分が抜けることで他のメンバーに迷惑をかけてしまうという空気感です。

さらに、育児・介護休業の前例がない企業であれば、上司や同僚から理解を得られないケースも少なくありません。

厚生労働省もこの現状は問題視しており、改善策として2022年4月1日から育児休業を取得しやすい雇用環境の整備が義務化されました。

これにより、育児休業や産後パパ育休の個別周知や意向確認の措置が進み、従来よりも円滑に申し出ができる環境が図れるようになることが期待されています。

育児・介護休業法の制度の内容

育児・介護休業法の制度の内容

ここからは、令和2年6月1日に施行された育児・介護休業法の具体的な制度の内容を詳しく紹介します。

育児休業制度

育児休業制度は、原則として1歳に満たない子どもを養育するすべての労働者が取得できる休業制度のことです。最長で2歳になるまでの延長もできます。

対象となる労働者は下記の通りです。

  • 女性だけではなく男性も取得できる
  • 子どもが1歳6ヶ月に達するまでの間に契約が満了することが明らかでない
  • 原則として1歳に満たない子どもを養育する労働者

2歳になるまでの延長が可能になる条件は、保育所への入所が困難などの事情がある場合に限ります。子ども1人に付き、原則として1回の取得が認められています。

しかし、労使協定により下記の条件に該当する労働者は対象外となる可能性があります。

  • 申し出から1年以内の雇用終了が明らかな労働者
  • 1週間の労働日数が2日以下

企業により方針は異なりますが、上記条件に該当する場合は受給条件を満たせずに利用できない可能性があります。利用を検討している場合は確認してみましょう。

産後パパ育休制度

2022年10月1日から施行される産後パパ育休制度は、子どもが生まれてから8週間以内を対象に、その内の4週間までを休業できる制度です。

パパ育休なので対象労働者は男性のみ。前述した育児休業制度は原則として子どもが1歳になるまで休業できますが、こちらは最大で4週間までとされています。

しかし、最大4週間の休業は1回で取得するのではなく分割も可能であり、法的には育児休業制度とは別なので、合わせて両方を取得することもできます。

介護休業制度

介護休業制度は、要介護状態にある家族を介護するために休業を取得できる制度です。

対象者は正社員、アルバイト、パート、契約社員を含めたすべての労働者ですが、取得するためには下記の要件を満たしている必要があります。

  • 入社して1年以上が経過している
  • 介護休業の開始予定日から起算して93日を経過する日から6ヶ月経過する日までに、労働契約が満了し、雇用契約が終了することが明らかでないこと

ようするに、1年以上働いていて介護休業が終了した後も雇用が継続される状態であれば、介護休業制度は誰でも取得できるというわけです。

しかし、労使協定により下記の条件に該当する労働者は対象外となる可能性があります。

  • 入社してから1年未満
  • 申し出から1年以内の雇用終了が明らかな労働者
  • 1週間の労働日数が2日以下

こちらも育児休業制度と同様に、企業により方針が変わります。こちらも、取得前に企業へ確認しておくようにしましょう。

子の看護休暇制度

子の看護休暇制度は、未就学児の子どもを抱える労働者が休暇を取得できる制度です。近年の法改正により、適用条件と対象者の範囲が下記のように改正されました。

  • 未就学児の子どもを養育するすべての労働者が対象
  • 1日、半日、時間単位で取得できる
  • 労働者1人につき最大で5日間の申請が可能

従来までは1日もしくは半日単位での取得しかできませんでしたが、法改正により時間単位での取得が可能になりました。
関連コラム:2021年に施行された育児・介護休業法の改正ポイントを詳しく解説!

これにより、たとえば子どもを病院へ連れていくために3時間だけ休暇を取りたいといった柔軟な使い方ができるようになります。

介護休暇制度

介護休暇制度は、介護が必要な家族がいる場合に取得できる休暇の制度です。こちらも近年の法改正により、時間単位での取得が可能になりました。

介護の内容に含まれるのは排泄や食事介助はもちろん、必要物資の買い出しや書類の手続きなども含まれています。

子の看護休暇制度も同様ですが、介護休暇制度に関しても取得した日の賃金に関する法的な定めはありません。企業に委ねられているため、賃金が発生しない場合もあります。

所定外労働の制限

育児をしている男女すべての労働者に関しては、育児・介護休業法により「所定外労働の制限」が設けられています。

対象となるのは3歳未満の子どもを養育している労働者で、企業に申請があった場合は所定労働時間を超えて働かせることができなくなります。

噛み砕いてわかりやすく説明すると、育児のために残業を免除する制度です。

子どもが3歳未満であれば何度でも申請することができ、1回の利用で1ヶ月から1年以内の期間を設定します。期間に関しては、社内規定に基づき契約していきましょう。

時間外労働の制限

育児・介護休業法により定められている「時間外労働の制限」は、月24時間、年間150時間を超える時間外労働をさせてはいけない制度です。

対象となる労働者の要件は下記の通りです。

  • 未就学児の子どもがいる、または要介護状態の家族がいる
  • 入社してから1年以上が経過している
  • 1週間の所定労働日数が2日以上

子どもや介護が必要な家族がいる労働者の負担を軽減するために制定された法律であり、過酷な長時間労働を防止する目的で施行されています。

深夜残業の制限

育児・介護休業法により定められている「深夜業の制限」は、労働者を午後10時から午前5時までの深夜に働かせてはいけない制度です。

所定労働時間の全部が深夜にある労働者は対象外ですが、子どもや介護が必要な家族がいる労働者は、深夜業の申請を申し込めば深夜帯の勤務を免除されます。

1回の利用で1ヶ月から6ヶ月以内の期間が適用となり、回数の制限はありません。開始予定日の1ヶ月前までに書面で請求すれば手続きは完了となります。

育児・介護休業法の段階的な改正のポイントを紹介

育児・介護休業法の段階的な改正のポイントを紹介

育児・介護休業法は令和2年6月1日に施行され、令和3年6月に改正、その後は令和4年4月1日から段階的に施行されていきます。

ここからは、段階的に改正されていく育児・介護休業法のポイントを詳しく解説します。

2022年4月1日:育休における雇用環境整備の義務化

2022年4月1日に改正された「育休における雇用環境整備の義務化」は、職場内で育休を取得しやすくする環境を整えるための制度です。

育児介護休業取得の現状でも伝えた通り、育児休業は法律で定められている労働者の権利であるにも関わらず、取得するのに躊躇してしまう人が多いのが現状です。

そのため、労働者の育児休暇取得促進を図る目的で、企業に対して下記に記載するいずれかの措置を講じることが義務付けられました。

  • 育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施
  • 育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備等(相談窓口設置)
  • 育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供
  • 育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知

面談、書面、ファックス、電子メールなどのいずれかの方法で労働者に対して周知と意向確認を行い、企業は育児休暇を取得するかどうかの希望を聴取しなければいけません。

従来までは、企業に設けられている育児休業の制度をよく知らないなどの理由で申請ができなかった労働者も、環境を整備することで取得しやすくなります。

2022年4月1日:有期雇用労働者の取得要件の緩和

2022年4月1日に改正された「有期雇用労働者の取得要件の緩和」により、従来と比較して育児・介護休業を取得できる要件が緩和されています。

今回の改正により『引き続き雇用された期間が1年以上であること』という要件が削除されたものの、労使協定を締結することで対象外にできるため大きくは変わりません。

とはいえ、法定通りに規定している企業では上記要件が削除されているため、取得要件は大きく緩和されているといえます。

2022年10月1日:育児休業の分割取得

現行の制度では原則として分割取得はできませんでしたが、2022年10月1日の改正後は、育児休業を分割して2回取得することが可能になります。

この改正により、分割による短期間取得や、夫婦間で取得時期をずらして育休を交代するなど、より柔軟な育児休業の取得が可能となりました。

2022年10月1日:産後パパ育休の創設

2022年10月1日からは、子どもの出生約8週間以内に最大4週間の休業を育児休業とは別に取得できるようになります。

育児休業とは別で申請ができるのが最大のポイントで、他にも、労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲で休業中に働くこともできます。

2023年4月1日:育児休業における取得状況の公表義務化

従業員の数が1,000人を超えている企業に対して、「男性の育児休業等の取得率」または「育児休業等と育児目的休暇の取得率」の年1回の公表が義務付けられます。

公表する場所は自社の公式サイトだけではなく、厚生労働省が運営するWebメディア「両立支援のひろば」の活用も推奨されています。

意向はあるが人手が不足するなどの理由で男性の育休取得率は低水準のままですが、取得状況の公表を義務化することで、取得しやすい雰囲気を作ることが大きな目的です。

まとめ

育児・介護休業法の内容と段階的に施行される改正ポイントを紹介しました。

労働人口が減り続ける昨今の社会情勢のなかでは、優秀な人材を長く定着させるためには労働者のライフワークバランスをよくするための取り組みが不可欠です。

そのためには、仕事と育児、仕事と出産、仕事と介護を両立しやすい環境を企業が作り、労働者へも制度の内容を浸透させるための取り組みが重要です。

2023年4月1日からは、男性の育児休業取得状況の公表が義務化されます。育児・介護休業法の制度を把握したうえで、適切な勤怠管理を行いましょう。

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